10日間でアンソロ1冊作った話
※もうちょっとまともに作った話はこちら。
honey8823.hateblo.jp
今回は、2021年の年末のラスト10日間でアンソロジーを1冊作った話を。
ついでに言えば金銭的な負担はほぼゼロです。
「そりゃ薄い本作ってみたいけど~、時間もお金もないし~」みたいな言い訳はもう通用しないぞ!みんなも作ろう!!(?)
あと「アンソロの主催とか大変そう~」って言う人もいるけど!「みんなで作ろう!」にすれば何も大変じゃない!!みんなありがとう!!!
◆発端
もう2021年終わっちゃうよ~~、と思いつつ過ごしていた年の瀬、
あるツイートがバズっているのを見かけました。
同人実録漫画
— あも (@nuts_kinomi) December 19, 2021
題して
8時間のもくりで同人誌を一冊
作ってみよう〜もくり!
はる「久々に絵を描きたくてリハビリの気持ちで来たら、ここは戦場だった?」
あも「ところで…同人誌は好きだよね?」 pic.twitter.com/tcQhjch9y7
ほう。
8時間で1冊作る。すげえな。
さすがに再録本とかだと余裕だと思いますが書き下ろしで8時間で1冊。すげえ。そして楽しそう。楽しそうじゃん。
よっしゃ!ワイもなんかやろ!(無駄な行動力)
…(となったのは仕事中だったので、終業から)2時間後…
◆企画の流れ
12/20
20:46 「年内に薄い本なにか作ろうぜ!」というだけの要綱をTwitterに放り投げる。
20:48 わずか2分で最初の1名が名乗り出る。即断すぎる。すげえ。
20:54 本のテーマが決まる。「2022年」
20:58 超短期アンソロ企画にしましょう、ということになる。
21:09 「小説でも絵でも漫画でもテーマに沿っていて全年齢対象なら何でもOK」くらいに決定
21:16 2名3名と増えてきたのでグループDM結成
21:24 原稿締切を12/30に決定、12/31に入稿+頒布開始することに。
22:00 要綱をちょっと修正してTwitterに放り投げる。
22:05 参加者増。「1名様ご案内でーす」「居酒屋か?」
22:15 「……居酒屋?(閃いた)」
22:21 表紙は、各自「居酒屋にいそうなキャラ」を描いた合作に決定
22:52 本のサイズをA5に決定、テンプレートを用意して共有フォルダを作り設置
23:47 表紙は「有志でちびキャラ描いておき、最後に合成」に決定
12/21
12:34 本のタイトル決定(仮題だがその後代案なかったのでそのまま使った)
23:57 最後の参加者さんご案内。自分含めなんと9名に。
12/30
23:59 締め切り
12/31
17:00 入稿、執筆者さん限定で即時通販での頒布開始(オンデマンド印刷なので)
◆完成!
執筆者9名・本文112ページのアンソロが! ほんとに企画から入稿&頒布開始まで!10日で!!できた!!
作業期間よりも!!通販ポチってから届くまでの間の方が!!長い!!!
ご参加いただいた方、年末のお忙しい時期に本当にありがとうございました…
◆主催としてやったこと
文章にしたらなんか多いけど、大した事やってない。
入稿作業とかの「誰か一人が取りまとめないとどうしようもないところ」しかやってない。
- 人の募集
- クソ雑な要綱作ってtwitterに垂れ流す
- リアクションくれた人を拉致する
- 最低限主催として決めるべきことは確定させる
- 企画の目的:年内に1冊作る
- 企画の方向性:書く人に楽しんでもらう、好き放題してもらう(いつも通りだが…)
- 金銭負担とお礼:必須の金銭負担なし・献本でのお礼なし
- 話し合いの誘導、仕切り
- 上記以外は極力参加者さんの要望に沿いたかったので、細かい部分は話し合いつつ決定
- テンプレートや提出先の準備
- 共有フォルダを作り、そこにテンプレートと提出先のフォルダ作るだけ
- 本文原稿の取りまとめ
- 共有フォルダに置いてもらったのをチェック
- ノンブル入れ
- 目次とか奥付とかを作る
- 掲載順にWordファイルに張り付けてPDF印刷したら入稿できる状態の本文原稿出来上がり
- ちなみに掲載順=ページ確定順なので、提出され次第Wordファイルに突っ込んでた
- 表紙の作成
- 適当にべちゃっと背景色バケツしてタイトルを打ち込む
- みなさんが描いてくれた素敵絵をいい感じに並べたら表紙原稿出来上がり
- 入稿
- 作った表紙画像と本文PDFファイルをアップロードしたら完了
- 頒布開始
- 入稿したのをそのままBOOTHに通すだけ。終わり。
- 今回は「2日間だけオープンするので参加者さんは購入どうぞ、自分も買ってチェックしたのち再度オープンするのでチェック待ちたい人はまた後で」としました
◆pixivFACTORYとBOOTHを使えば簡単!
今回はこれを利用しました!!
「試しに1冊作ってみたい」「売れると思えないけどせっかくならBOOTHに置いてみたい」
あるいは「本を作るのはいいけど通販管理の手間を減らしたい」という方には一度お試しいただきたい!!!!!
(突然のステマ感)
普段の流れ
まずはいつもの方法からご紹介。
- 原稿を作る
- 印刷会社さんに入稿・注文する
- 「原価×冊数+送料」で数千~数万の出費
- 現物が届くのを待つ
- BOOTHで公開する
- 梱包・発送する(アンソロの場合は参加者さんに1冊ずつ献本)
- 梱包材や送料でこまごまとした出費がある場合も
- 在庫が余れば保管、その後も注文があり次第で随時梱包&発送作業する
印刷会社さんによっては原稿を作る前に「予約」というフローが入ることもあるっぽい?ですが、
予約が必要な会社さんを使ったことがないため予約概念がよく分からず…。
ちなみに普段は「おたクラブ」さんにお願いしがちです。
カラー印刷が超ド級に綺麗なのに少部数でも格安、その上最短3日~遅くとも10日で届く。
入稿時にプレビュー見ながらアップロードできるし面倒なノンブル入れも不要という最高な印刷会社さんです。
あとは「ペンタロー」さんも利用したことがあります。
大抵の場合はおたクラブさんの方が断然安いのですが、仕様によってはこちらの方が安いこともあります。
こちらもカラー印刷がものすごく綺麗。
入稿時のプレビューはありませんでしたがノンブルは不要ですし、対応がものすごく親切丁寧な会社さんです。
(比較的家が近いこともあり、「二種類の印刷機で試しに刷ったんですが、実物見に来られます?」というすげえお誘いをいただきました…助かりました…まさかの現物プレビュー…)
ちょっと嘘ついてる。印刷部数の参考にするために原稿作りながらBOOTHに先行で公開して予約受け付けることが多いです。
pixivFACTORYを使ったときの流れ
そこでpixivFACTORYを使うとこうなります。
- 原稿を作る
- 印刷会社さんに入稿・注文する
- 「原価+送料」の出費。当然、自分では買わない場合は負担ゼロ。
- BOOTHで公開する
はい!
以上!!
普段めちゃくちゃ面倒な「梱包・発送・在庫管理」が!一切ない!!
pixivFACTORYが全部やってくれる!!!
しかも入稿作業もおたクラブさん並みに簡単、ファイルをアップロードするだけ。
BOOTHへの登録もすごく簡単、画像や紹介文は自動で埋めてくれます。
ついでにPDF版の出力もワンボタンでできちゃいます。電子版も併せて発行したい場合は楽々。
今回のアンソロでは「参加者さんには電子版(PDF)をお配りしますが、紙で欲しい場合はBOOTHで買ってね」のスタイルでした。
「通販の手間は省きたいけど献本はしたい」という場合は、献本分だけ原価で買って通常どおり対応すればOK。
(後述のとおり単価が高いので、そこはちょっと痛いのですが…)
デメリット
個人的に思いつくのは以下4つくらいでしょうか。
状況によっては特に気になるようなことでもないのですが。
1.
pixivFACTORYが全部やってくれるということは、つまりその分、単価が高いです。
今回作ったのはA5本文モノクロ112ページで910円でした。BOOTHで頒布するとマージンを100円以上上乗せする必要があるので、最低1010円+送料。
これを例えばおたクラブさんで同等のものを最低ロットの10部刷ると1部あたりでは556円。これに梱包材などを足すことになりますが、910円に届くことはそうそうないでしょう。自分なら、BOOTH通販は700円+送料くらいで設定するかな~、という感じです。
2.
あと、個人的には原稿仕様が面倒…。
まずノンブルが必須なんです。これがおたクラブさんだと入稿のプレビュー見ながら「あっやっぱりこことここ入れ替えちゃお!」とか雑なことができるんですけど、それができない。できない方が普通と言われればそれまでですが。
そしてPDFで入稿したいときはちょっと大変。全ページを1ファイルのPDFにまとめたものを作らなきゃいけない。
漫画やイラストしかないなら画像を1枚ずつアップするだけですが、小説と混在する場合にはちょっと面倒です。
ちなみにおたクラブさんの場合は小説だけのPDFを作ってアップし、あとから挿絵の画像ファイルを間に割り込ませる、なんてことも全然可能です。
3.
注文から手元に届くまでにやや時間がかかるのも気になるかもしれません。
通常2週間程度あれば届くかも?くらいの感覚です。
例えば「入稿→自分用に注文→届いたのを自分の目で確認してOKならBOOTHで頒布開始→他の誰かが注文」という感じだと、読み手に届くまでひと月くらいかかりますね。
(確認すっとばして頒布開始しちゃえば2週間ですが)
4.
それから、紙の種類がそう多くなく、遊び紙もないですね。
シンプルな本を作る分にはあまり気にならないと思いますが、こだわりたい場合は向きません。
まとめ
ということで、単価はちょっと高いものの、
金銭的な負担と通販管理の手間を極限まで削減して個人誌でもアンソロでも作れるサービスでした!
本当に一冊作りたいだけなら対応してくれる印刷会社さんを探してお願いする手もありますが、単価はさほど変わりません。
もし他に読みたいと言ってくれる人が現れたときに応えたい思いがあるのなら!
せっかくならついでにBOOTHに置いておきませんか!
(※BOOTHに置かないことももちろん可能なので、「わが子のアルバム」みたいなガチ自分用も大丈夫)
◆…あれっ?
なんでpixivFACTORYのステマになったんだろう。
10日でアンソロ1冊作った話でした。